インフルエンザの流行と薬について
1月にインフルエンザ流行が落ち着いてきていますが、Bが目立つようになっています。
*インフルエンザに確定診断について
当院で行うインフルエンザ検査は「迅速インフルエンザ抗原検査」といい、鼻から細い綿棒を入れてインフルエンザウイルスがいるかを調べます。結果は、通常10分以内にわかります。残念ながらこの検査ではインフルエンザでも検出されない事があり(偽陰性と言います)、検査が陰性でもインフルエンザを否定する事はできません。特に発熱が始まって24時間以内は偽陰性になることがあります。
そのため発熱してすぐ検査した場合、精度は低く陰性とでてもインフルエンザを否定しきれません。(偽陰性)
上記の偽陰性の問題のため、医師の判断で症状や周囲の流行状況から強くインフルエンザを疑う場合、検査が陰性または検査を行わなくても、インフルエンザと診断することもあります(臨床診断といいます)。
一緒に食事した人がインフルエンザで自分も発熱した、同居の家族にインフルエンザがいて自分も熱などの症状がでた場合は当院では検査を行わず臨床診断を行っています。(お子様にとっては痛い思いはしなくて済むのであればしないに越したことはないと思いますしね。)
*抗インフルエンザ薬について
インフルエンザは、元々健康な成人では通常数日で自然によくなります。安静にして水分を十分にとることに加え、必要に応じて解熱鎮痛薬や咳止めを使います。タミフル、イナビルなどの抗インフルエンザ薬は症状が始まって48時間以内に服用した場合に、1日ほど症状の期間を短くするデータがあります。
インフルエンザの合併症を起こしやすい状態の方(65歳以上、喘息/糖尿病/心臓病/肺疾患/脳梗塞後など慢性疾患のある方、妊娠中、免疫抑制状態の方など)の場合には、合併症を防ぐために抗インフルエンザ薬の服用が勧められます。
また抗インフルエンザ薬に関しては、持病もなく健康な方であれば解熱剤などのみでも治癒は可能であり必須ではありません。なので祝日、休日に高熱が出たとしても、慌てずに自宅に解熱剤があれば服用して過ごしてもらって翌日に受診してもよいかと思います。
また新しくゾフルーザという抗インフルエンザ薬が登場しています。初日に1回だけの内服ですむという利便性がポイントの薬です。タミフルと比べて早く治るというデータはないのですが、ウィルス排出に関してはタミフルより抑えることが最近期待されています。なので本人にとってというよりは同居家族へできるだけうつしたくないときは良いのかもしれません。
ただ当院はまだタミフル処方が一番多いです。なぜならば治療効果はほぼ同等であること、安全性が一番高いこと(妊婦さん・12歳以下小児はタミフルかイナビルが推奨)、値段も一番低いことが理由です。
つまりゾフルーザに関しては耐性出現率が高いという報告があり12歳以下では推奨されていないこと、また新規の薬であり安全性はタミフルには劣ること、そして値段が高いことが懸念点です。
ご高齢で認知機能低下もあり飲み忘れしやすい方、同居家族が複数いて排出ウィルスをできるだけ速やかに抑えたい場合は当院でも処方を開始しています。あとは1回飲んでしまうと作用時間が長い薬であるのでアレルギー症状がでたときは、作用時間が短い薬よりも厄介かもしれません。
初日に1回だけの内服ですむという利便性だけを求め、乱用してしまうと本当に使用したい場面で効果が発揮されない事態になってしまいますので色んなSNS等での情報に紛らわされず、検討しましょう。
*実際今年のインフルエンザの際にゾフルーザを処方されて服用した元気な若者でも1週間以上高熱が継続した例が多くあり、タミフル処方で1日で熱がさがったという例もあり、個人差が大きいのでゾフルーザ万歳!という感じでは決してないです。
