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セレスタミン配合錠について

[2023.04.11]

花粉症の時期もだいぶ過ぎてきました。

当院でも抗アレルギー剤の内服薬、点鼻薬、点眼薬を院内で処方しています。

時々強い薬をもらっていたという方でセレスタミン配合錠を挙げられる方がいます。

しかしこのセレスタミン配合錠、単なるよく効く花粉症の薬という認識では少し危険を伴います。

何故か。そればステロイドを含有しているからです。

プレドニンというステロイドがありますが、セレスタミン配合錠を朝夕服用すると5㎎に相当します。

あまり医療人でなければ5㎎と聞いてもピンとこないと思いますが、我々が聞くとそこそこステロイドを内服しているのね、、、という印象です。

安易に2週間とか、1ヶ月といった長期間続けるべき薬ではありません。せめて本当に数日(3,4日)にしてほしいというお薬です。

その代わり急性のアレルギー症状を抑えたい!というときには効果は良好なので当院でも3日程度内服として処方しています。


** 「セレスタミン」に含まれているステロイドという成分には強い抗炎症作用がありますが、同時に強い副作用もあります。長期に使用した場合の主な副作用は次の通りです。
 1 免疫力を落とす:病気にかかりやすくなります
 2 ムーンフェイス(満月様顔貌):まん丸い顔になります
 3 肥満:食欲が異常に亢進し太ります
 3 骨粗鬆症:骨がもろくなり、折れやすくなります
 4 低身長:身長が伸びなくなります
 5 糖尿病:糖尿病になりやすくなります

 (なお、アレルギー性鼻炎や喘息のときにステロイドの吸入剤を使用することがありますが、これはステロイドの量が少なく、ほとんど副作用はありません。)

そして二次性副腎不全という病態があります。

ステロイドを服用し続けていると、自分の体の中にある副腎という臓器(本来はこの副腎がステロイドを作っています。)が、自分がステロイドホルモンを作らなくても外部から入ってくる量で充分だと判断し機能を失っていきます。

数日程度であれば問題ありませんが、長期的内服は副腎不全をもたらします。

そして、この副腎不全はなかなか自覚症状がはっきりとせず、倦怠感、低血糖、無気力、低血圧と様々で診断がつくまで時間がかかることが多いのです。

もし処方箋のお薬にセレスタミン配合錠があった場合は、ちょっと注意が必要な薬だなと覚えておいてもらえると良いです。

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